
男もとろけるみちのく一人旅
リタイア後の究極の道楽はこれだね!
神武天皇が大和征服のころ奈良あたりにも蝦夷がいて、しかもそれは武勇・勇者の意味で男性に対する美称・尊称だった! 蘇我蝦夷(蘇我入鹿の父)等がその代表例だ。
それがいつの間にか、およそ大化の改新以降は主に白河・勿来・鼠ヶ関の奥羽三関以北の陸奥・出羽(東北六県)に住む先住民族をさすようになった。荒ぶる神、まつろわぬ者ども、政治的に服従しない悪人、皇化・王化に服せぬ化外の民の蔑称となり大和朝廷の征服の対象となった民族だ。
ところで、宮城県・岩手県・秋田県では壮烈な官軍と蝦夷の戦いや著名な人物の記録がたくさんあるが、福島県では蝦夷と大和朝廷との血湧き肉躍るドラマチックな接触の記述は少ない。
また、陸奥の歌枕で有名なのが70〜80か所で、福島県にあるのは、そのおよそ30%だ。千年以上も前から当時の貴族の最大の風雅と知性と教養の一つだったに違いない歌枕の地への旅。いざ福島へ!
蝦夷・陸奥・歌枕 福島 若槻武雄 著